㈱聴涛館 (「グランドホテル浜松」を経営 静岡県浜松市中区)会社更生法の適用を申請

「グランドホテル浜松」を経営

株式会社聴涛館

会社更生法の適用を申請

負債58億円


㈱聴涛館 (「グランドホテル浜松」を経営 静岡県浜松市中区)会社更生法の適用を申請


「静岡」 (株)聴涛館<チョウトウカン>(資本金4億5000万円、浜松市中区東伊場1-3-1、代表佐藤勲氏)は、3月18日に静岡地裁浜松支部へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は、嶋寺基弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-1、電話03-5224-5566)ほか6名。監督委員は、熊田俊博弁護士(浜松市中区鴨江2-32-3、電話053-452-4647)が選任されている。

 当社は、1993年(平成5年)12月に(株)聴濤館(97年1月、破産、静岡県)の管理運営会社として設立。その後、同社の経営悪化に伴い96年12月に同社の債権、債務の一部を継承し、ホテル業に転換。大手ホテルグループとして、地元有力企業の共同出資のもと、浜松市内の老舗ホテル「グランドホテル浜松」(総客室数316室)を運営するようになった。同ホテルは、浜松市内の最大手の一つで、ホテルの運営のほか、直営レストランやスポーツジム、不動産賃貸を手がけ、2007年3月期には年収入高約40億9800万円を計上していた。

 しかし、近年は景気低迷、またビジネスホテルなど競合ホテルの進出に伴い収入の減少を余儀なくされ、2011年3月期には年収入高約31億2500万円にまで減少。過去に引き継いだ債務負担に加え、設備投資資金の不足により自力での事業継続が困難となり、スポンサーの支援により再建を図ることとなった。
負債は債権者約360名に対し約58億円。

 なお、当社の事業再建における経営、金融両面での支援については、本日付でホテルマネージメントインターナショナル(株)(東京都台東区)と契約を締結している。


TDB参照

◆「グランドホテル浜松」運営


 グランドホテル浜松(浜松市中区)を運営する聴涛館(ちょうとうかん)(同)は十八日、静岡地裁浜松支部に会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債額は約五十八億円。同社は全国でホテルなどを展開するHMIホテルグループ(HMI、神戸市)と同日、事業再建支援の契約を締結。同グループの協力を受けながらホテルの営業を続けていく。


 聴涛館は競合ホテルとの競争激化で業績不振となり、過去の新館増築などによる債務負担が経営を圧迫。今後のリニューアル投資などに向けた資金不足に陥ったため、同日の取締役会で更生手続き開始の申請を決議した。


 今後、「ホテルクラウンパレス浜松」(中区)などを運営するHMIから改築などの資金や営業ノウハウなどの支援を仰ぎ、再建を図る。現経営陣や約二百七十人の従業員の雇用は継続する。


 聴涛館は一九二九(昭和四)年に料理店として創業し、六八年にグランドホテル浜松を開業。八九年にカナダでリゾートホテルを購入するなど事業を拡大したが、バブル崩壊で経営不振に陥り、九七年に自己破産。


 ホテルニューオータニや地元企業などが出資した現在の運営会社が事業を引き継ぎ、運営を続けてきた。二〇一二年三月期の売上高は三十一億円。過去五年で約十億円売り上げが落ち込んだ。

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